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スーパーウォール工法とは?

2023.06.30

テーマ: コラム 

皆さんは家づくりの工法の1つである「スーパーウォール工法」をご存知ですか?
初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか。
今回のコラムではスーパーウォール工法とはどんな工法なのか、メリット・デメリットを含めて解説していきます。
家づくりで後悔したくないという方はぜひ参考にしてください!

スーパーウォール工法とはどんな工法なのか

日本に古来よりある木造軸組工法をベースに、高性能の「スーパーウォールパネル」と呼ばれる壁材を張り巡らせ、家全体を覆う工法のことです。
木造軸組工法は、点接合のため地震や台風の際に筋交いに負担がかかりますが、スーパーウォール工法では面で支えるため、耐震強度が上がります。また、冷暖房や換気システムを組み合わせることで部屋ごとの温度差や空気のよどみを解消し、住宅性能を大きく向上することができます。

ツーバイフォー工法との違いについて

ツーバイフォー工法とは、北米由来の建築方法で、木造軸組工法とは違い柱や梁を使わずにパネルのみを組み立てて建設するのが特徴です。スーパーウォール工法では柱・梁・土台にパネルを組み合わせていきますが、ツーバイフォー工法ではパネルのみを使用するという点に違いがあります。

スーパーウォール工法のメリット

暑さと寒さに強い

断熱性をもつパネルで家全体を覆うスーパーウォール工法の家は、夏は涼しく、冬は暖かいという特徴があります。その秘密は気密性にあります。
気密性が高く隙間から外気が侵入しないため、外気の温度変化の影響を受けにくく、魔法瓶のように快適な室温を1年中保ってくれます。それにより、冷暖房の使用量が減り光熱費の節約にも繋がります◎

部屋間の温度差が少ない

気密性、断熱性に優れたスーパーウォール工法の家は、部屋ごとの温度差が少ないだけでなく、部屋の上下の温度差も少ないことが実証されています。
一般的な気密・断熱性能の家では、暖房を付けて室温を上げても、足元の温度は設定した温度よりも5~10度低いということがあります。これは、隙間から侵入した冷気が足元へ下降することで起こります。これでは足元が寒いと感じるのは当然のことですよね。
しかし、スーパーウォール工法の家では、優れた保温性により外気の影響を受けにくいため、暖房との併用により天井から足元まで室内温度を効率良く均一にコントロールすることができます。

さらに、部屋間の温度差による弊害としてよく挙げられるものにヒートショックがあります。ヒートショックは寒い冬に家庭内でおこる死亡事故の原因として特に多いものです。
暖かい部屋と、寒い脱衣所やトイレとの温度差により急激に血圧や脈拍が変動することが原因で起こります。
また、ヒートショックに関する意外な事実があります。それは“温暖な都道府県ほどヒートショックが多く発生している”ということです。
ヒートショックは寒い地域でおこるものだと油断している方も多いのではないでしょうか。しかし実際は寒冷地域の方が断熱対策に優れており安全である場合が多いのです。

ヒートショックのリスクを軽減するためには「断熱」が重要です。
スーパーウォールを使用し、上下温度差・部屋間温度差の少ない快適な居住環境をつくることで、ヒートショックを防止することができます。

住まいの高断熱化と健康改善の関係を研究した調査によると、断熱性の高い住宅に住み替えた人はそうでない人に比べて気管支喘息やアトピー性皮膚炎などの健康を害する諸症状が出なくなった割合が多いことがわかりました。

地震や台風に強い

スーパーウォール工法は壁・床・天井が一体となったモノコック構造のため、大きな外力がかかっても変形しにくいという特徴があります。外力が接合部に集中せず建物全体に分散するため、地震や台風に強いのです。
また、スーパーウォール工法では耐震等級3の設計を推奨しています。これは国が定める基準より高く、消防署や警察署と同じレベルで安全性の高い住まいが実現できます◎
地震大国である日本において、安心して暮らせる住まいが実現できるのは嬉しいですよね。

一定の品質がある

スーパーウォール工法で使用する断熱材は、高性能な硬質ウレタンフォームであり、一般的な住宅で使用されているグラスウールのおよそ2倍の断熱性能があります。
一般的に断熱材が水分を含むと断熱性能が下がるといわれていますが、硬質ウレタンフォームは水を吸収しにくい素材のため壁の内部に結露ができにくく、高い断熱性能を長年保ち続けることができます。

また、硬質ウレタンフォームは現場で発泡を行うのではなく、工場で作られたものを現場に搬入しています。工場での生産にこだわる理由は、高性能なウレタンフォームの品質を維持するために細部まで徹底して品質管理を行う必要があるからです。
工場で生産したものを搬入することで施工品質のばらつきを防止することができるというメリットがあります。寸法間違いやビスの打ち忘れといった施工ミスが起きづらく、仕上がりが施工する職人の技術に左右されない点も、均一な品質の確保に役立っています。

防音性が高い

音の侵入や音漏れは、主に建物の隙間から起こります。スーパーウォール工法の家は、高気密施工のため、隙間が極端に少ないため優れた遮音性能を発揮します。
また、気密性の高いドアや、窓は複層ガラス仕様の断熱サッシを使用しており、遮音性能をさらに高めより快適な暮らしを提供します。周辺道路からの環境音を低減するとともに室内から外への音漏れも抑えることができ、ストレスの少ない静かな室内環境の実現が可能です。
幹線道路沿いに家を建てる方や、家族間で生活時間が違う方でも騒音を気にすることなく生活できるためおすすめです。

スーパーウォールのデメリット

理想の間取りやデザインにできない可能性がある

壁全体で建物を支えるスーパーウォール工法は、穴をあけると支える力が低下してしまうため、耐力壁をくりぬいて窓を設置することができません。また、お子さんの成長やライフスタイルの変化により間取りを変更する場合は家全体の耐震構造を検討し直す必要があります。

対策:窓の増設や間取りの変更などに制限があるスーパーウォール工法では、将来のライフスタイルの変化も見据えてプランニングを検討することが重要です。

エアコンやコンセントの増設がしにくい

壁全体に断熱材が詰まったスーパーウォール工法は、電気配線や水道管を後から隠蔽するのが難しいです。
例えば、コンセントを増設しようとする場合、壁の中に配線を通すのが難しいことがあります。エアコンを部屋に増設する場合では壁に配管の穴を開ける必要がありますが、気密性を保たなければいけないため、家電量販店の電気屋さんに施工を依頼するのは少しリスクがあるため注意しなければなりません。

対策:コンセントやスイッチ類は設置コストもあまり高くないので、初めから多めに配置しておくのをおすすめします◎

まとめ

スーパーウォール工法について解説してきましたが、いかがでしたか?
スーパーウォール工法は地震や台風などの災害に強いこと、遮音性に優れていることなど様々なメリットがあります。そして住宅の性能面だけでなく、1年中快適な室温で過ごせることなど健康面でも良いことがあります。

しかし、コンセントの増設がしにくいなどのデメリットもあるため、スーパーウォール工法で家を建てる際は、将来のライフスタイルの変化までを考慮してプランを考える必要があります。
その際はぜひこちらの記事を参考にしてください!