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全館空調の快適さをエアコンと比較して解説!
2024.09.01
テーマ: コラム
皆さんこんにちは。
今回は近年注目を集めている全館空調についてお話させていただきます。
同じ空調設備でも、普及しているエアコンとは効果や使い方が全く異なりますので、お家づくりの参考にしていただければ幸いです。
全館空調の中でも様々な種類のものがあるので、コラムでは木づつみで導入しているエコエアFineの機能をもとにご紹介いたします。
①全館空調とは?
全館空調は一台の空調機器からダクトを各部屋につなぎ、全部屋を一括管理する空調設備です。エアコンや扇風機などの、各部屋に設置して電源のオンオフを部屋ごとに操作する空調設備とは違い、一台で全部屋を自動管理することができます。
中でもエコエアFineは、冷暖房と24時間換気システムが一体となっている天井吹き出し方式の全館空調です。外から新鮮な空気を取り込み、温度と湿度を季節に合わせて自動で調節します。
*床置き型のイメージ
〈現在の空調の問題点〉
・お家の性能
どれほど高性能な空調設備を使用しても、お家に隙間があったりパッシブ設計がされていない場合、本来の効果を発揮しません。室内温度は建物自体の気密・断熱性能に左右されますので、密閉されてない箱では、空気の循環を思うように操作することが難しいのです。またエアコンは一時的に部屋の温度を調節する機器と考える方もいるかもしれませんが、住宅の性能によっては、同じスペックの空調機器でも省エネに使うことができます。快適な温度管理はお家づくりの時点で始まっていますので、空調について早めに知って損はありません。効率的に空調管理ができれば、電気代の節約はもちろん健康改善にもつながります。
・ヒートショック
省エネ住宅は効率的に空気と熱の循環ができますが、エアコンの電源を落としたお家に帰宅した後は、外気の熱の影響を受けた室温に戻っているため、空調機器の使い方によって時間と部屋ごとに多少の温度差が出てしまいます。全館空調ではそのような心配を限りなく減らすことができます。
②使い方
空調機器は、機械内部に空気が滞留していると、カビが発生し、運転を再開した際に異臭が発生したり、アレルギーにつながったりと、悪影響が起きます。エアコンの電源を久しぶりに入れたらカビ臭かった、という経験はないでしょうか。空調機器の内部も、部屋と同じように空気を循環させる必要があります。
エコエアFineは換気が一体となっているので、つけっぱなしにすることで24時間365日給気経路に気流を作り、冷房運転終了後の水分が自然に乾燥しカビを防ぎます。またフィルターには抗菌・抗ウイルス機能と花粉やPM2.5を除去する効果があるため、一度付けたら電源を入れたままお過ごしください。日々のお手入れは本体にあるフィルター1枚をお掃除するだけで構いません。
③設置の注意点
全館空調本体を床に置き、お家の壁内にダクトを巡らせ各部屋の給気口へ空気を送ります。そのため採用する際は、設計の段階で計画に組み込む必要があるのでご注意ください。
〈床面積43.0坪以内の住宅〉
エコエアFineは、最大12個まで給気口を設置することができます。それ以上だと負担が掛かるため、追加で高性能エアコンの設置をお勧めいたします。(設置可能かどうかはお家によって若干違いがあります。)また設計の際は、本体設置の場所を確保するため、910㎜×910㎜のスペースが必要となります。
〈高性能住宅〉
先ほどお話したように、建物自体の気密・断熱性能に左右されますので、計画的に空調管理ができる高性能住宅のみ使用可能です。エコエアFineを設置する場合、断熱HEAT20のG2グレード(等級6)以上C値0.36程度の性能が必要になります。
④デメリット
〈故障時の不安〉
本体に不具合が出た際は、全部屋の空調が止まってしまいますので、故障が心配な方は安価なエアコンを一台追加で設置される方もいます。
故障時の対応は、エコエアFineの場合、7年間パーツ交換の保証があり部品を交換することで長くお使いいただけます。さらに10年の無償修理制度があり、期間中であれば24時間何度でもご利用いただけるサポートもございます。
一般的なエアコンの寿命が10年前後といわれていることに対し、全館空調は15年から20年程度機能します。新築の際はダクトをお家全体に巡らせて設置しますが、本体だけを交換することも可能ですのでご安心ください。
〈後付けができない〉
全館空調では配管をお家の内側に巡らせるため、建築する際に設計会社と綿密な打ち合わせが必要です。また、導入できるお家は特定の条件をクリアできる高性能住宅であることが必須になりますので、ご検討される方は、各建築会社が建てるお家の性能にも注視してください。
私達木づつみでは、条件をクリアできる高性能住宅を建て続けた実績がありますので、全館空調の新築にもご対応できます。専門的な知識を持った建築士が、お客様に合わせた空調のご提案をしながら、入念に打合せをさせていただきます。
⑤メリット
〈部屋の温度が均一〉
人によって快適な温度が違うため、部屋ごとに温度を変えたいと思う方もいるでしょう。エアコンの場合、風が肌に直接あたるため、同じ温度空間でも肌寒さを感じることがあります。ですが、全館空調は弱い風量で部屋全体を均一の温度にしてくれるため、空調があることを忘れるような快適性があります。一般的なエアコンから吐き出される風量が300~400㎥なのに対し、給気口1か所から吹き出す風量は60~80㎥と微量なので、温熱交換を効率的に行い、風を感じさせない空間を可能にしています。
またお家全体を均一にすることで、居室やお風呂から離れたときの急な温度変化がなくなり、ヒートショックの心配がなくなります。
〈メンテナンスがお手軽〉
エアコンだと各部屋にある複数枚のフィルターを掃除しますが、全館空調は一台で完結しているので家事の時短につながります。また本体を床に設置する全館空調は、脚立に乗り降りをする必要がありません。危ない作業が無いため、どなたでも簡単にお掃除が可能です。
またエコエアFineでは、お掃除が必要なフィルターと故障の可能性があるパーツを前面に配置しているため、迅速にメンテナンスが可能です。普段のお手入れは、1~3ヶ月に1回の目安でフィルターのホコリを掃除機でとり、3~5年に1度の目安でフィルターの交換を推奨しています。
〈デザインがスッキリ〉
部屋の上部にエアコンを設置すると、内装デザインに影響が出てしまいますが、全館空調であればスッキリとしたお部屋にすることができます。
外観では配管と室外機も減らすことができるため、景観を重視される方にお勧めです。また余分な凹凸が外壁周りになくなると、防犯対策にもつながります。
〈省エネでローコスト運転〉
年中つけっぱなしだと、電気代や消費電力が不安になると思いますが、実は多くのメリットがあります。
一般的に空調機器は、電源を入れてから設定温度になるまでの間多くの電力を使用します。ですが全館空調は24時間365日つけっぱなしにするため、温度調節に使用する電力が少なく省エネです。またエコエアFineの場合、自動で省エネモードを切り替え、運転してくれるので、ランニングコストや消費電力を気にすることなくお過ごしいただけます。
・おやすみエコ
就寝時に設定温度を自動変更することで快適性を維持しつつ電気代が削減できます。
・ゆるやかエコ
ゆるやかな温度制御にすることで、ヒートポンプの急激な動きを抑制します。
・エコオート風量
空調無負荷時の送風を自動でセーブすることでファン動力を低減します。
⑥まとめ
今回は全館空調と馴染みのあるエアコンとを比較しながらお話させていただきました。住宅の常識を覆すような使い方ですが、今後を見据えた高性能住宅では、一台で自動管理できる全館空調が普及していくと考えられます。
快適な空調は過ごしていて肌に触れる空気を忘れてしまうような状態が理想です。空調設備を改善すると、お家で過ごす家族の健康を守ることにつながりますので、この際に空調でもバリアフリーの考え方を導入してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。