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空き巣に狙われやすいお家とは? お家を作る前に知っておくと良いこと5選!
2025.07.01
テーマ: コラム
令和6年度の東京都の侵入窃盗について、発生場所として最も割合が高かったのが一戸建て住宅でした。手口としては「空き巣」が27.8%と最も多い手口とされています。
さらに、2024年12月、東村山市で発生した空き巣事件では、1階の窓が施錠されていなかったことをきっかけに、500万円相当の貴金属が盗まれる事件がありました。郊外の落ち着いた住宅街で、住人が就寝中に起きたという点でも衝撃的な事件です。
この事件の特徴は、犯人が「複数の地域を下見していた痕跡があった」という点です。つまり、空き巣は偶然ではなく「入りやすい家」を狙って選んでいるのです。
このように、空き巣は一般的に下見を行いますが、その際“住む人”ではなく、“侵入のしやすさ”でお家を見ています。「このお家、入りやすそうだな」と思われてしまうことが狙われやすいお家の第一歩です。
では、どうすれば「狙われにくいお家」をつくることができるのでしょうか?今回は、防犯の考え方や設計、設備のポイントを5つに絞ってご紹介します。
狙われやすい家って、どんな家?
空き巣は、「なんとなく」で侵入するお家を決めているわけではありません。
実際には、しっかりと下見を行い「入りやすそう」と判断したお家が狙うのです。
それでは、空き巣はどのような視点で判断しているのでしょうか?
狙われやすい傾向にあるお家の特徴
・周囲からの死角が多い(高い塀や植栽で囲まれている)
・夜になると真っ暗になる(照明が少ない、もしくは点いていない)
・防犯設備が見当たらない(カメラやセンサーがない)
・1階に大きな窓が多い
・玄関が道路から見えにくい、出入口が把握されにくい
・留守にしがちで人の気配が感じられない(昼も夜も静まり返っている)
このような特徴があるお家は、“犯行の成功率が高い”と判断されてしまいます。
重要になってくるのは、どのような防犯設備を設置したか、ということだけではなく、お家の雰囲気や暮らしのリズムまでを含めて“入りにくいお家”を演出することです。
上記の傾向をおさえて、防犯設備はもちろん設計段階でできる工夫について5つのポイントをご紹介します。ぜひこれからのお家づくりの計画に意識して取り入れてみてください。
【窓】は空き巣の侵入口NO.1!
空き巣の侵入口として最も多い場所は、窓からです。
中でも、1階の掃き出し窓や、目立たない位置にある勝手口の窓は要注意です。
▶おすすめの設計配慮
設計の段階から「どこに窓をつけるか」「見通しはあるか」を検討することが必要です。
犯行の際、侵入に5分以上かかると約7割は諦めると言われています。
可能な範囲で高い位置に窓をつけたり、人が通るのが難しいサイズ感の窓を採用したりすることで、侵入に時間がかかることになります。空き巣に侵入しにくいという印象を抱かせることが大事なのです。
その他の対策として、
・防犯合わせガラス(2枚のガラスの間に特殊なフィルムをはさんだタイプ)を採用
→ガラス破りに時間がかかり、犯人が諦める確率が上がります。
・補助錠(クレセント錠の追加ロック)を取り付ける
→簡単には開けられない仕組みにすることが重要です。
“入られない窓”ではなく、“入ろうとすら思わない窓”が重要です!
【外構】で死角をつくらない。隠れられる庭にしない工夫
オープンな印象の外構は侵入されやすく、生活の様子が見えない「視線を遮る庭」の方が良いのではないかと考えがちではないでしょうか。
しかし、実はこのような外構の設計は防犯面で考えると”隠れやすい場所”になってしまいます。
▶おすすめの設計配慮
・背の高い植栽は玄関横、窓前は避ける
・塀やフェンスは”目隠し”より”見通し”を重視する
→縦格子やメッシュタイプのフェンスを使用することで、プライバシーを確保しつつ、侵入しにくくすることが可能です
・道路からの視線が届く位置に勝手口や窓を配置する
また門柱と玄関の位置関係も重要です。
門柱で人が隠れて玄関前に立つことができるような配置になっていないか、敷地図の段階で検討する必要があります。
侵入者の下見の段階で、「隠れられる場所がなさそう」だと判断させることが重要です!

【照明】で「見られている家」を演出。夜間の不安を減らす
下見でチェックするポイントとして、留守かどうか、も重要になってきます。
そのため、「暗い家」は空き巣にとって好都合であり、反対に夜でもほんのり明るく”人の気配”を感じるお家は狙われにくいとされています。
▶おすすめの設計配慮
・玄関、勝手口、庭に人感センサーライトを設置する
・ポーチ灯や門柱灯は、夜間も基本的に点灯する
・スマート照明でタイマー制御し、外出中でも「在宅しているように見せる」
照明は防犯意識の高さを示す、視覚的なサインです。
安心と見栄えを両立させるデザインも可能ですので、設計段階でご相談いただくとスムーズです。
空き巣を“目立つ存在”にすることや、人の気配を感じさせることが重要です!
【玄関・鍵まわり】に最新の安心を。スマートロックの活用
窓の次に侵入口として多いのが、表出入口です。従来のシリンダーキーでは、ピッキングや合鍵被害など、いくつものリスクが残ります。
今は「家族のライフスタイル」に合わせた鍵の種類の選び方が主流です。
▶おすすめ商品・工夫
・スマートロックの導入(スマホや暗証番号で施解錠)
→外出先でも施錠確認や遠隔操作が可能になります
・ダブルロックを標準装備
・カメラ付きインターホンと録画機能を採用
→来客の記録が残るだけで「防犯性の高い家」という印象になります
特にお子様のいるご家庭では、鍵の管理が課題になりがちです。スマートロックは「鍵の持ち歩きが不要」「親が遠隔でロックできる」などメリットが多く、人気が高まっています。
最新の設備を活用して、不安を解消することも大切です!
【地域とつながる設計】も防犯につながる
意外に見落とされがちなのが、「ご近所の視線」との関係性です。犯行を諦めた理由で多いのが、近所の人に声をかけられたり、ジロジロと見られたりすることが挙げられます。
つまり、完全に閉じたプライベート空間よりも、適度に周囲とつながっているお家の方が、防犯性が高まります。
▶設計のヒント
・道路から、中庭や玄関が少しだけ見える設計
・オープン外構にして人目を活かす
・通風や採光を取りながら、開けすぎない窓の配置
空き巣は「近所づきあいが良く、連帯感のある住宅街」を嫌う傾向にあります。
住み始めてからのポイントとして、ご近所づきあいを大切することと、不審な人物をみかけたら、ご自身の安全を確保しつつ「なにか御用ですか?」などと声をかけることで、防犯意識の高い街だと印象づけることできます。
近隣と協力して、お互いに配慮しあう関係性を築いて“見守りあう環境”を作りましょう!
おわりに
事件が起きた後に、「もっと早く対策しておけば…」と後悔しても取り戻すことができません。これからお家を建てる方こそ、防犯性の高い住まいを設計の段階から意識しておくことで、将来の不安を1つ減らすことができるはずです。
まずは一度自分のお家の環境は狙われやすい家かどうかを見直してみましょう!
・夜になると暗くなる場所はないか?
・外構は視線を遮りすぎていないか?
・鍵や窓の仕様は古くなっていないか?
・ご近所とのコミュニケーションは取れているか?
その気づきがあるだけでも、防犯意識は大きく変わります。
そして、狙われやすいお家の特徴を理解して、対策を行うことで”日常の安心”を育てていきましょう!