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1.5階建てという選択:平屋+αの住まいの魅力

2025.06.17

テーマ: コラム 


木づつみのコラムをご覧の皆様こんにちは!

皆様は近年住宅の構成に変化が起きていることはご存知でしょうか。新築住宅の主流は2階建てをイメージされる方が多いかと思います。しかし若年層から高齢者層まで幅広い年代で平屋を選ぶ方が増えています。

 

「狭くなってしまうのでは?」と思われる方も多いかと思います。本日は平屋そして+αの住まいの魅力について施工事例と共に解説、ご紹介いたします。ぜひ最後までお付き合いください!

 

【1】初めに

 

お家づくりやお家を購入される際、間取りや設備と並んで意外と悩ましいのが「階数の選択」です。戸建て住宅においては、平屋・2階建て・3階建てなどの選択肢がありますが、それぞれに一長一短があり、ライフスタイルや家族構成によって最適解が変わってきます。

近年では、平屋住宅の人気が急上昇しています。SNSで平屋についての投稿や、イベントが増えています。その背景には「ワンフロアで生活動線が完結する」「老後も階段を使わず安心して暮らせる」などのメリットがあります。一方で、平屋にはある程度の敷地面積が必要であったり、収納やプライベート空間の確保に悩むこともあります。

 

そこで近年注目されているのが、「1.5階建て」という新たな選択肢です。これは平屋の快適さをベースにしつつ、必要な空間だけ上階に付加した設計スタイルで、コンパクトかつ機能的な暮らしを実現できます。

本コラムでは、この1.5階建て住宅の魅力と注意点について、わかりやすく解説していきます。

 

【2】1.5階建てとは?

初めに1.5階建て住宅とは、文字通り「1階+α=半階程度の上階空間」を組み合わせた構造の住宅を指します。平屋に勾配天井やロフト的なスペース、中2階や小屋裏部屋などを付加することで、空間の広がりや収納力をアップさせる設計手法です。

 

一般的な平屋・2階建てとの違い

そこで、一般的な平屋や2階建てとの違いはどのようなところでしょう。簡単に説明すると、

  • 平屋:1階のみ。階段が不要で生活動線がシンプル。
  • 2階建て:1階+2階に居室がしっかり分かれる。上下移動が発生。
  • 1.5階建て:主な生活空間は1階にあり、部分的に上階空間を設けることで、空間効率を向上。

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たとえば、リビングに高い吹き抜け天井を採用し、その上部にロフトなどのスペースを設けたり、寝室の上部に収納兼用の中2階を作ったりと、設計の自由度が高いのが特徴です。

こちらのお家では、リビングに勾配天井を設けることで空間にゆとりを作り、上部には洋室と収納のためのスペースを設けています。

 

固定資産税上の扱い

設計次第では税制面でのメリットも見込めます。天井高が1.4m以下の空間は、法律上「階」とみなされず延床面積に含まれない扱いになります。そのため、小屋裏収納やロフトなどは固定資産税評価額に影響しにくく、賢い空間活用が可能です。(※ただし過度な「節税目的」の設計は自治体から否認される可能性もあるため注意が必要です)

 

【3】なぜ今、1.5階建てが注目されているのか


平屋人気と土地価格の高騰

近年、平屋住宅は高齢者層だけでなく若い世代にも人気が高まっています。しかし都市部や人気エリアでは土地価格が上昇しており、広い敷地を確保するのが難しいケースが多くなっています。

そんな中で「平屋ベースで暮らしたいが、少しでも空間を広げたい」と考える人々にとって、1.5階建ては非常に魅力的な選択肢となっています。実際に木づつみでも平屋建てを始め、1.5階建てのお家づくりも行っています。

 

延床面積を確保したい層に支持

1階だけだとどうしても収納やプライベート空間が不足しがちです。1.5階建てなら、小屋裏スペースやロフトを活用して収納力を補完できます。また、来客時などに使う多目的な部屋としても便利です。

 

幅広い世代に支持

  • 子育て世代:子どもの成長に合わせて上階空間を活用できます。秘密基地感覚で子どもが喜ぶロフトは特に人気です。
  • シニア層:1階をメインに生活しつつ、必要に応じて上階を趣味スペースやゲストルームに活用することができます。

 

空間演出の魅力

デザイン的にも、勾配天井+ロフトの組み合わせは空間の開放感おしゃれな雰囲気を演出しやすく、暮らしに豊かさを加えてくれます。さらに勾配天井の仕上げを木にすることでより空間が彩られます。

 

【4】1.5階建てのメリット

空間効率が良い

ロフトや小屋裏を活用することで、限られた延床面積でも収納や居室の選択肢が広がります。特に都市部の狭小地やコスト重視の住宅で効果的でといえます。

 

平屋ベースの生活動線

生活の大部分が1階で完結するため、バリアフリー化ができ老後も安心して暮らせます。階段を使うのは一部空間だけなので、身体への負担も最小限です。

 

コスト面のメリット

1.5階建ては構造的に2階建てよりも簡素で済む場合が多く、建築コストや光熱費が抑えられる傾向があります(※設計次第で変動あり)。また、固定資産税の課税対象床面積も抑えられる可能性がある点もポイントです。

 

デザインの自由度が高い

外観デザインの自由度が高く、自分好みのお家づくりが可能です。低層で圧迫感のない佇まいと、大きな窓や勾配天井の組み合わせで、おしゃれな外観が演出できます。

 

将来を見越した設計

シニア世帯では、将来的な階段利用の減少を見越し、夫婦の寝室は1階に配置し、2階的空間はあくまで補助的なスペースとして設計する例が増えています。将来のリフォーム計画も含めて柔軟に対応できるのが1.5階建ての魅力です。

 

【5】注意点・デメリット

もちろんメリットばかりではなく、注意しなければいけないポイントやデメリットもあります。安心安全なお家づくりために、各ポイントについて抑えなければいけません。

 

断熱・気密性能に注意

屋根裏空間は熱がこもりやすいため、断熱・気密性能をしっかり確保する必要があります。夏場の熱対策、冬場の冷気対策は必須です。しかし、木づつみでは高断熱高気密のスーパーウォールを採用しているためこういった心配も解消できます。

 

ロフトや小屋裏の使い方に制限

天井高が低い空間は、重い家具や大型家電の収納には不向きです。また、はしごや簡易階段を使う場合、昇降時の安全性にも配慮が必要です。

 

設計士との打ち合わせが重要

重心バランスや構造安全性を考慮しなければならないため、設計士との綿密な打ち合わせが必要不可欠です。安易に「見た目重視」で計画してしまうと耐震性に問題が生じるリスクがあります。一方で木づつみでは、全棟耐震等級3を取得するための設計を行っているため、見た目も重視しながら高い耐震性能を得ることができます。

 

▽▽性能に関しての詳しくはこちらのコラムをお読みください!

①木づつみの高断熱・高気密
高気密・高断熱って何?判断するための基準を数値を使って解説!

②耐震性能/耐震等級3
地震に強い家の特徴は? 「耐震等級3」について解説!

 

税務上の注意

節税目的で過剰な「1.5階建て」風設計を行うと、税務署や自治体から指摘を受ける可能性があります。建築基準法や固定資産税のルールを正確に理解し、適正な設計を心がけなければなりません。木づつみではお家づくりのプロフェッショナルとして、お客様の要望を1つ1つ丁寧にお家に反映することができます。

 

6】まとめ


今回は、
1.5階建て住宅についてお話して参りました。1.5階建て住宅は、「平屋の暮らしやすさ」と「空間効率」を両立できる、現代のニーズにマッチした住宅スタイルです。

土地の広さや予算に制約がある場合でも、デザインの工夫次第で豊かな住まいが実現できます。

 

今後、住宅の省エネ性能やライフスタイルの多様化が進むにつれ、より柔軟な間取りが求められる時代になります。1.5階建てという選択は、そうした時代の先取りとも言えます。

もし今、お家づくりを考えているなら、「ちょっと背伸びした平屋」という発想で、1.5階建てもぜひ選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました!こちらのコラム以外にもたくさんのお家づくりに役立つコラムや木づつみの日常を掲載しておりますので、ぜひご覧ください!

またお家づくりやリフォーム、リノベーションにお困りの方は一度弊社までご連絡ください!