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高気密・高断熱って何?判断するための基準を数値を使って解説!

2023.07.03

テーマ: コラム 

ハウスメーカーや工務店の広告で最近よく目にする「高気密・高断熱」という言葉ですが、実際には高気密・高断熱とはどの程度の性能のことを表すのでしょうか?
今回のコラムでは高気密・高断熱住宅を示す指標について、実際の数値を用いて詳しく解説します。家づくりをするにあたって欠かせない基礎知識ですので、興味のある方はぜひ参考にしてください。

高気密・高断熱とは?

一般的な木造の住宅では、どんなに技術のある大工さんが建てた家でも目に見えないほどの小さな隙間は生じます。この小さな隙間から外の熱い空気や冷たい空気が出入りし、部屋の温度を変化させる原因になります。
そして、隙間が多いと内部結露の原因にもなります。隙間が多い=気密性が低いということであり、その隙間から外気が入り込むことにより、壁の内側に結露が生じてしまいます。

しかし、高気密住宅では気密テープで隙間を塞いだり、断熱性の高いサッシを使用したりして隙間を限りなく小さくすることができます。隙間がほとんどないため、外気に影響されることなく一年中快適な室内環境を保つことができるのです。
そして、高断熱住宅とは、家そのものの断熱性が高い家のことです。外壁に外気からの影響を受けにくい断熱材を用いることで、屋外と室内の熱の移動を少なくします。

反対に断熱性能が不十分な住宅では窓や壁の隙間を通して外の温度が伝わってきます。そのため、夏は暑く冬は寒いという、温度変化が起こります。また、冬場は暖房を付けた部屋と廊下やお風呂場との激しい温度差によりヒートショックを起こす可能性もあります。

高気密と高断熱はどちらか片方だけでは効果が半減してしまいます。どちらかの性能が低いと、気密性が高くても隙間風が入ってきてしまったり、断熱性が高くても暖房の熱を逃してしまったりします。せっかく新居を建てるのであれば、高気密と高断熱の両方を組み合わせることをおすすめしています。

基準

日本の基準は?

現時点で日本には高気密・高断熱についての明確な基準がありません。ハウスメーカーや工務店が会社独自の基準を設けていますが、基準は会社により違うので注意しなければなりません。
そして、高気密・高断熱住宅を表す定義としてよく用いられるのが「次世代省エネ基準」です。次世代省エネ基準を理解することで高気密・高断熱住宅の性能を深く理解することができますので、次世代省エネ基準の内容を詳しく見ていきましょう。

次世代省エネ基準とは?

次世代省エネ基準は2016年に施行された「建造物省エネ法」によって定められた現行の省エネ基準のことです。基準値や測定方法に細かい変化はあったものの、1999年に地球温暖化対策のために定められた省エネ基準と同等の断熱性能を表しています。つまり、20年以上前に作られた基準が現在でも適応されているということです。
名前に次世代とついているため最新の基準だと思ってしまう方も多いので、次世代省エネ基準が高気密・高断熱を表す定義と表記されている場合は古い基準であることを理解しておく必要があります。

世界の基準は?

日本では「省エネ」の観点から基準が設けられています。ところがアメリカやヨーロッパでは居住者の「健康」の観点から基準が設けられています。アメリカやヨーロッパでは住宅の省エネ基準は3~5年ごとに強化されており、2013年に14年ぶりに強化された日本とはレベルが違います。
このことから日本の省エネ基準は世界レベルで考えるとかなり低い水準にあるということが分かります。日本の次世代省エネ基準に準じた住宅の室内環境はヨーロッパ諸国では「命の危険がある家」と認識されるほどです。

高気密高断熱の数値

高気密・高断熱住宅を語るときに用いられる数値にUA値、Q値、C値があります。
UA値、Q値、C値をそれぞれ解説していきたいと思います。

UA値

UA値とは「外皮平均熱貫流率」のことで断熱性能を計る指標です。
外皮とは屋根や外壁など家の表皮のことです。UA値は外皮を伝って熱がどのくらい家の外に逃げやすいかを表す数値で、数値が小さいほど断熱性が高いといえます。

計算式 UA値=熱損失量(w/m)÷外皮面積(㎡)

UA値が…
高いとどうなる? →部屋の熱が外へ逃げやすい=省エネ性能が低い
低いとどうなる? →部屋の熱が外に逃げにくい=省エネ性能が高い
つまり、UA値が低いほど省エネ性能が高いということになります。

UA値の基準は地域によって異なります。なぜなら、北海道と沖縄では気候が違うため統一することができないからです。

UA値を低くするには?

UA値を低くするポイントは「窓」です。
高性能の断熱材を入れたとしても、熱損失の多い窓だと断熱性を高めることができません。日本の住宅の窓のほとんどがアルミサッシですが、アルミは熱を通しやすい素材であるため、窓サッシは樹脂素材のものを使用して室内の熱を逃がさないようにしましょう。

Q値

Q値とは「熱損失係数」といい、熱がどのくらい家の外に逃げにくいかを示す数値です。
UA値との違いは、換気による熱損失を含む点と、建物の延べ床面積のみで計算する点です。

計算式 Q値=熱損失量(w/k)÷延べ床面積(㎡)

Q値が…
高いとどうなる?→断熱性が低い=省エネ性能が低い
低いとどうなる?→断熱性が高い=省エネ性能が高い

Q値は1.6以下であれば高断熱といえます。

Q値を低くするには?

Q値を低くするポイントは3つあります。まずは断熱材の厚さや性能を良くすることです。2つ目は太陽光を最大限に活用することです。窓から入る太陽の光を効果的に利用すれば暖房を使用せずに室温を上げることができます。そして3つ目は施工の質です。断熱材の質を上げても、施工の精度によっては期待通りの断熱性能を発揮することができません。
施工の精度は知識と経験により大きな差があるため、会社選びはとても重要です。

C値

C値とは「相当隙間面積」のことで、床面積1㎡あたりにどのくらいの隙間があるかを「㎤/㎡」という単位で表します。

計算式 C値=住宅全体の隙間の合計面積÷延べ床面積

C値が…
高いとどうなる?→隙間が多い=低気密住宅
低いとどうなる?→隙間が少ない=高気密住宅

数値が低ければ低いほど隙間が小さいということになり、気密性が高いと言えます。

一般的な住宅・・・ C値 10㎤/㎡
高気密住宅・・・ C値 1.0㎤/㎡
C値は1.0以下であれば高気密と言われています。1.0とは、家全体の隙間がはがき1枚分ほどということ。この数値は低ければ低いほど気密性が高いといえます。

C値を低くするには?

C値を低くする方法は隙間を小さくすることで、ポイントは4つあります。
1つ目は外壁面のコンセントを減らすことです。コンセントは外壁面よりも部屋間の壁面に設置した方が隙間が小さくなります。
2つ目は引違い窓を減らすことです。日本の住宅でよく用いられる引違い窓ですが、気密性が低いという欠点があります。住宅の窓を全て引違い窓にするか片開き窓にするかで、C値の差が0.3相当もあるそうです。
3つ目は細部の気密処理を施すことです。開口部、コンセント、設備配管など細部の隙間を気密テープで塞ぐことで大きな効果が期待できます。
そして、4つ目はパネル工法を取り入れることも効果的です。住宅全体をスーパーウォールパネルで囲むことで隙間を小さくすることができます。スーパーウォールについては、別の記事で紹介していますので、気になる方はそちらもぜひ読んでみてください。

まとめ

今回のコラムでは高気密・高断熱について解説しましたが、いかがでしたか?

内容を簡単にまとめると、
高気密:隙間を限りなく小さくして空気の出入りを最小限にすること
高断熱:外壁に断熱材を用いて屋外と室内の熱の移動を少なくすること

高気密・高断熱住宅にはさまざまなメリットがあります。
家全体が暖かく部屋ごとの温度差がないためヒートショックのリスクが軽減する、冷暖房を使う頻度が減るので光熱費が抑えられる…など。

高気密・高断熱住宅の快適な暮らしを弊社のリノベモデルで体感できます。気になった方はぜひ木づつみにご相談ください!